「特定小型原動機付自転車」 について まとめ

「特定小型原動機付自転車」 について まとめ

特定小型原付について

*2023年1月20日更新 道交法改正の時期や内容が発表されましたので、一部内容を更新しました。

日本における新しい乗り物 「特定小型原動機付自転車」 の区分が2022年12月下旬より施工されます。
また、警察庁は、電動キックボードなどの車両区分を新しく定めた改正道路交通法の施行を2023年7月1日とする方針を示しました。

これにより 、2023年7月1日から、保安基準を満たした電動キックボードで16歳以上であれば、運転免許は不要(16歳未満の運転は禁止)で、ヘルメット着用は努力義務で車道、自転車道などを走ることができる予定です。
また、時速6km以下で、最高速度表示灯を点滅させた状態であれば、自転車通行可の歩道も通行可能となる予定です。

参照元

[2022/10]道路運送車両の保安基準の一部を改正する省令案 及び 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示案について -国土交通省自動車局 

参考資料:「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について|警察庁Webサイト 

「特定小型原動機付自転車」(以下、特定小型原付)についての情報が途切れ途切れであるため、 ここにまとめたいと思います。

特定小型原付 とは

特定小型原付を運転できる条件

16歳以上であれば運転免許証は不要ですが、 16歳未満の運転は禁止されています。 ヘルメット着用は努力義務での運転が可能とされています。  (2023年7月1日より適用予定

特定小型原付の条件を満たす車両の規格とは

・原動機付自転車のうち、電動機の定格出力が 0.6kW 以下で、長さ 190 ㎝、幅 60 ㎝以下、かつ 最高速度 20km/h 以下のものを特定小型原付とする。それ以外の原動機付自転車を一般原動機付自転車と定義する。

・ 道路運送車両の保安基準第3章の原動機付自転車の保安基準に「特定小型原動機付自転車の保安基準」を追加し、特定小型原付に適用される保安基準の項目等を定める。

・ 構造上出すことができる最高の速度を複数設定することができるものにあっては、 走行中に設定を変更することができないこと 。

・ クラッチの操作を要しない機構がとられていること 。

・ 道路運送車両の保安基準に規定する最高速度表示灯( 最高の速度の設定に 応じて、点灯・点滅が 切り替わるもの )が備えられていること

[2022/10]道路運送車両の保安基準の一部を改正する省令案 及び 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示案について -国土交通省自動車局

令和4年改正道路交通法に係る下位法令(2年施行分)の概要-「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について|警察庁Webサイト

2023年1月現在で公表されている特定小型原付の保安基準は以下の通りです。

保安基準基準の概要
接地部及び接地圧 接地部及び接地圧は、道路を破損するおそれのないものであること。
制動装置 2個の独立した操作装置を有し、確実かつ安全に減速及び停止を行うことができるこ と。また、2系統以上のうち1系統は、平坦な舗装路面等で確実に特定小型原動機付自 転車を停止状態に保持できること。
車体
車体は堅牢で運行に十分耐えるものであること。
前照灯 夜間前方 15mの距離の障害物を確認できること。
尾灯 夜間後方 300mから点灯を確認できること。
制動灯 昼間後方 100mから点灯を確認できること。
後部反射器 夜間後方 100mから走行用前照灯で照射した場合にその反射光を確認できること。
警音器 適当な音響を発する警音器であること(自転車に装着されるベル等でも可)。
方向指示器 車両中心線上の前方及び後方 30mの距離から指示部を見通すことができる位置に少な くとも左右1個ずつ取り付けられていること。
安定性 安定した走行を確保できるものとして「特定小型原動機付自転車の走行安定性の技術 基準」に適合すること。
速度抑制装置 速度抑制装置の速度制御性能に関し「特定小型原動機付自転車の速度抑制装置の技術 基準」に適合する速度抑制装置を備えること。 最高設定速度が2種類以上ある場合、最高設定速度が走行速度を下回る速度へ変更が できないこと。
電気装置 原動機用蓄電池は以下のいずれかの基準に適合していること。 国連規則、欧州規格、国連危険物輸送勧告、PSE マーク(電気用品安全法に基づく表示)
乗車装置 乗車人員が動揺、衝撃等により転落又は転倒することなく安全な乗車を確保できる構 造であること。
最高速度表示灯 昼間前方及び後方 25m から点灯を確認できること。 車道モード:緑色点灯、歩道モード:緑色点滅

出典: [2022/10]道路運送車両の保安基準の一部を改正する省令案 及び 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正する告示案について -国土交通省自動車局

*通行区分識別灯 から最高速度表示灯という名称へ変更がありました。
最新の道路運送車両の保安基準の確認はこちら

特定小型原付=電動キックボードではない

「特定小型原付」はよく”電動キックボード”の例を挙げられますが、これらの車両の規格を満たすものはキックボード型でなくとも、自転車型などでも「特定小型原付」に属することが出来ます。

特定小型原付はいつから走ることが出来る?

道路運送車両法は2022年12月ごろに施工され「特定小型原動機付自転車」 という車両区分が新設されます。
ただ、これだけでは「特定小型原付」は公道を走れません。
警察庁より道路交通法が2023年7月1日より改正され、「特定小型原付」で実際に公道での走行が可能になるとのアナウンスがありました。

「原付」と「電動アシスト自転車」と「特定小型原付」の比較

2022年12月現在での、原付(第1種)、特定小型原付、電動アシスト自転車をそれぞれ比較してみました。


原動機付自転車特定小型原付電動アシスト自転車
免許証の有無原付の運転できる免許が必須不要不要
ヘルメットの着用SGマークやPSCマークのヘルメット着用が必須努力義務努力義務
走行場所車道のみ車道
自転車レーン
条件付で歩道(車体に規定あり)
車道
自転車レーン
条件付で歩道
速度制限時速30km
(原付1種の場合)
時速20km
(歩道は時速6km)
事実上その道路の制限速度(電動アシスト制限速度 時速24km)
ナンバー交付必要必要不要
税金必要必要不要
自賠責保険加入必要必要不要
年齢制限免許証に準じる16歳未満は禁止特に規定なし
原動機付自転車 特定小型原付 電動アシスト自転車

ナンバー交付・税金が必要?

「特定小型原付」も、原動機付自転車の一つの枠組みに入るので、軽自動車税が2000円が必要になる予定です。

また、原付き同様、地方自治体にてナンバー交付を行う必要があります。
ナンバーの取得は、お住まいの市区町村役場にて無料で取得が可能です。
公道走行する前に、ナンバーの登録を必ず行いましょう。

16歳以上であれば運転免許証は不要 ?

道路交通法が改正されれば、 「特定小型原付」は16歳以上であれば、免許証が無くても乗ることが可能になる予定です。
これまで電動キックボードや原付きは、原付免許証以上を取得しないと乗れませんでした。
「特定小型原付」の規格の車両であれば、道路交通法改正後は、免許証が不要で乗れることになり、より多くのユーザーへ利用してもらえることになります。

例えば、高齢者の免許返納後の移動手段としての利用などが考えられます。
しかしながら、一方で免許証がなく乗れることにより、交通ルールを守らずに走行するユーザーが増えるのではないか?ということも危惧されています。

そういったことから、メーカーとしても、販売時などに、交通ルール、安全運転の啓発活動が必須であると思います。

ヘルメットの着用は不要?

「特定小型原付」は、ヘルメットの着用は必須ではなくなり、努力義務となります。
しかし、人が走るよりも早い速度での移動となりますので、ヘルメットの着用を強く推奨します。

最高速度は20km/h以下

「特定小型原付」 の最高時速は20km/h以下とされています。
原付は30km/hが最高速度と定められていました。
アシスト電動自転車が24km/hまでアシストされることを考えると、自転車よりもやや遅く感じると思います。

歩道の走行はどうなる?

現在は道交法改正前なので、電動キックボードでは歩道は走行出来ません。

「特定小型原付」は 、 人が歩くのと同程度の速度である、最高速度6km/hで 歩道走行が出来るようになります。
それは、車両区分の切替えを行うことにより歩道走行が可能になります。
ただし、走行中の車両区分の切替えは認められていないため、歩道走行に切り替える場合は一度止まってから切り替える必要があります。
また、最高速度表示灯を光らせて、周囲からどちらのモードで走行しているかがはっきりとわかるような状態で走行しますので、歩道を6km/h以上で走っていれば、すぐに周囲にわかるようになっています。

まとめ

原付、特定小型原付、電動アシスト自転車。特徴を理解して自分に合った乗り物を選ぼう

「特定小型原付」は、漕がなくても走行できますが、最高速度は原付きには劣ります。また、手軽さを追求しているので、一回の充電で走れる距離は短くなる傾向があります。
「特定小型原付」は、電動アシスト自転車の速度よりも遅くはなりますが、漕がずに走行したい方には向いているとも言えます。
税金がかかるかからない、と言った比較も出来ます。
よく検討をして自分のライフスタイルにあった乗り物を選びましょう。

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