18650組電池を作るなら電池ホルダーを使わないほうがいい理由
今回は18650の組電池を作るときに、電池ホルダーを使わないほうがいい理由を解説したいと思います。
結論から言うと
メンテナンス性が悪いから、ということです。
先日、BMSが充電を拒否するということで、 5年ほど使用された蓄電池の修理をしていました。
完璧にその原因までを追求はしていませんが、おそらく、一部のセル(電池)の劣化です。
そして、その劣化電池を取り外そうとするとき、このホルダーが邪魔になります。(動画を見てもらえたら、すぐにわかります。)
組電池にするときには、1つの電池を並列で繋いだり直列に繋いだりして、組んで製作します。
予備知識として、組電池の構成をここで簡単に説明します。
組電池の構成
組電池はこのように、1つの電池(セルと呼ばれる)を並列につなぎ(バンクと呼ばれる)、さらにそれを直列に繋いだものを”組電池”と呼びます。
18650で組電池を作る場合、上記のように、バンクを複数作り、それを直列につなぎ、一つの組電池にすることが一般的です。
組電池にする大きな理由
その理由は2つあります。
- 電圧を高めたい。
- 電流を高めたい。
どちらも電池の容量やパワーを高めるために行います。
また、作動させたい機器のために電圧・電流を上げるという考えもあります。
また、組電池を組むときにきれいに並べたほうが一定の放熱性が保たれたり、筐体に入れるために、一定の形状にする必要があります。
そこで、役に立つのが、 電池ホルダーです。
電池ホルダーがあれば
ホルダーがあれば、規則正しい形の組電池を組むことが出来ます。
また、固定されるため、溶接時もタブがずれずにミスや手間が軽減されます。
メンテナンス性を考えるなら、電池ホルダーなしで
上記のように組電池を組むときには便利ですが、メンテナンスのときにとても大変な目にあいます。(^_^;)
最近流行りのポータブル電源も18650で組まれているものも多いですね。
こういった劣化電池の取替の修理などは今後、増えると思われます。
ご自分で18650組電池を組まれる場合はメンテナンス性も加味して、組電池を作りましょう。
私が考えた対策
- 平置きの電池ホルダーを使い平置きの構造とする
- Eサイクルバッテリーのようにホルダーを使わない組付けにする
平置きの電池ホルダーを使う
以前のスポット溶接不要の組電池の作り方の動画で紹介したような電池ホルダーを作って、平置きで使うという手ですね。
また、最近はこのような18650用の電池ホルダーも市販されています。
平置きのものをたくさん作り、それをラックなどに詰めていくような構造にすると良いと思います。
ただ、電池ホルダーの初期コストがかかるのと、面積が必要になるため、コンパクトにしたい場合に向かないなどが出てくると思います。
電池ホルダーを使わない場合
面積も狭く抑えられますが、放熱性に配慮する必要があるということと、ホルダーがないため、組む際にそれなりの手間がかかります。
Eサイクルバッテリーは、この方法で組まれていて、メンテナンスは楽です。
私が思いついたアイディアは以上ですが、他に良いアイディアがあれば、コメント欄でお教えください。
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